2015年5月27日水曜日

燃費計をつくる その3


噴射量計算に必要な要素

 インジェクターに電流が流れている間燃料が噴射され、電流を止めると噴射も止まるONOFF制御だから、単位時間あたりのON時間を測定する。 インジェクターは1分間あたりに噴射できる最大量(常にONの状態で1分間に噴射できる量)がものによって決まっているので、これらから噴射量を計算することができるはず。(図1)ちなみに今回は個人的に噴射周波数も取りたいので噴射開始時間から次の開始時間までの間の時間(噴射周期)と、噴射開始時間から噴射終了時間(=ON時間)も計測することにした。



図1 ONOFFの矩形波。実際はこんなにきれいじゃないらしい。
※ちなみに、この波形は一種のPWMとみることができる。と思う、ので、今後は噴射周期に対するON時間の割合をデューティ比と説明する。


信号の実測方法

 私はECUの信号線などを切ったり貼ったりできるだけしたくない性格だ。(車自身が何かで故障したときに余計なトラブルシューティングが増えるので。)
なので、今回の作戦には信号線を切断や分岐させずにながれる値を取得したいという、無駄にハードルをあげる制限を自らかけた。

 ここで私が考えたのが、線の周りの磁界を計測するクランプセンサーだ。これであれば線を傷つけずにはさむだけで電流が測定できるはずだ。
直流クランプセンサーは鬼のように高額だが、交流クランプセンサーは2000円前後と安い。今回はインジェクターを動かすほどの電流のONOFFを計測するので、これで十分と考えた。(半分適当・・・買ってみなくちゃわからない)

クランプセンサーはこんなやつで、最低周波数10Hzくらいから、割とよさげなものを選んだ。
http://www.multimic.com/products/detail/20 

どういう値がでるか楽しみだ。
続く。

2015年5月26日火曜日

燃費計をつくる その2

燃料噴射のメカニズム


まず一般的な燃料噴射のメカニズムについて調べてみた。
 
 クルマの燃料は燃料タンクにある燃料ポンプによって圧力をかけられ、燃料配管に送られる。燃料配管はエンジン内部にあるインジェクターとよばれる噴射装置(超高精度のソレノイド電磁弁)につながっており、ECUからの制御でインジェクターが開くと配管にかかる圧力によって燃料が噴射される。おそらくこんな感じ。(図1)

左上のタンクにあるポンプから右のインジェクターへ
ECUからの制御で噴射。(大きさ比は適当)
 じゃあ、ECUからインジェクターへ信号がでているはずなのでそれを取得できる・・・と思ったが、どうやらそこの仕組みは、バッテリーからの12Vをインジェクターに通し、そのマイナス側(アース側)をECUに引き込んでその中でアースへの接続、接続解除を制御しているようだった。つまり制御信号自体はECUより外側には行かず、ECU内部で直接リレーかなにかで制御しているようだ。
不思議。

 私は整備書は持っていないので確証はないが、おそらくFD3Sも同じ制御だと思う。(図2)


ECUの中でスイッチ(実際はリレー?)で制御。 

 つまり、ECUからの燃料噴射信号線と今までいっていたものの、実際OUTではなくINであり、そこにインジェクター(ソレノイド)を動かすほどの割と大きな電流が流れたり、止まったりしていることになる。燃料噴射量を測定するには、その値を取得できればいいはず。

次はその信号の詳細について

続く。

2015年5月25日月曜日

燃費計をつくる

ArduinoとかRaspberry Pi を購入したので
RX-7 FD3S のリアルタイム燃費計を自作してみる。

 まず燃費とはkm/Lと書く様に
燃料1リッターあたり何km走るかを表した単位になるので
消費した燃料量と走行距離がわかればいい。

これらの情報を取得する方法について

 最近のクルマにはOBD2と呼ばれる各社共通の端子があり、ナニカシラのハードウェアからECUに対して通信することができる。(通信プロトコルは色々違うらしい。)
そこから、現在の燃料噴射量と走行距離(速度信号)を取り出すことができるはず。

と思って探してみるも、FD3SにはOBD端子らしきものが見当たらない。


 調べてみると、一応端子はあるもののOBD2より旧規格な上に通信負荷をかけすぎるとエンジン制御がおろそかになる(可能性がある)らしい。そして、通信方法に関する資料がほとんどない。
さすが古い車なだけはある。
色々試して遊んでたらエンジンブローなんてほどオソロシイ話はないので、別の方向からアプローチしよう。

続く。